ぶるぶるノート

ダミ猫

うちは猫を二匹飼っている。といっても俺はあまり動物が得意でなく、飼いはじめるときには反対した。しかし五人家族の中で反対が俺だけとあってはどうしようもなく飼うことになった。

そんなだから俺と猫はお互いにあまり干渉しないのだが、家族は物凄く猫を可愛がるわけです。猫も甘えるわけです。

特にエサのおねだりのときなんかは正に猫撫で声。普段と違う高い声を出す。しかしそれは初めに飼いはじめた猫の話。

初めに飼いはじめたファースト猫は、飼いはじめた当時は一歳くらいでした。家に来た時点で既にいかにも猫らしい猫だったわけですが、二匹目のセカンド猫はまだ生まれたてのころに飼いはじめたんです。生まれたてってパッと見は猫だと分からない。毛もないし身体も手のひらに収まってしまうくらいしかない。自分でまともに歩くこともできない。

しかし猫の成長は人より圧倒的に早く、一~二ヶ月ほども経てば猫らしくなってきます。走れるようになるとそれが嬉しいのか家中を意味もなく走り回る。

で、セカンドも自分からエサのおねだりをするようになったころ。初めてのおねだり声を聞いたときは衝撃的だった。

ま゙あ゙

初めはそれがおねだり声だと分からなかった。普通、猫撫で声というと高くて可愛らしい声を想像する。しかしセカンドはそれとは正反対の低いダミ声

ファーストの場合は、普段よりもトーンを上げた甘え声で巧くおねだりするわけです。しかしセカンドはま゙あ゙~、ま゙ぁと、普段よりもブサイクな声で鳴く。なんというおねだり下手。一歳と四、五ヶ月くらいになっても未だにおねだりのときはダミ声。まあそれが逆に魅力なのかもしれないけど。

しかしそのダミ声を聞いているとヤツを思い出すんですよ。

ニャンちゅう
お゙お゙ん! み゙ぃもえさがほしいに゙ゃあ゙